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飲食経営ナビ

2018/02/02

飲食店に大きな損害!?相次ぐドタキャンに飲食店はどう対処すべきか

食事をする風景

 飲食店で食事をする時、あらかじめ日程や人数が決まっていれば、予約して席やコースを確保することがあるかと思います。しかし、近年では予約をしたのに当日になって急にキャンセルの連絡を入れてきたり、連絡なしに時間になっても来店しない人が増えたりしています。中には、貸し切りにしていたにも関わらず当日現れないという普通では考えられないことも起こっており、飲食店では大小関係なく大きな問題となっています。
こうしたドタキャンに、飲食業界はどう対処していけばよいのでしょうか。

増える「ドタキャン」や「No Show(ノーショー)」

ドタキャンされる女性

 飲食店を悩ませている直前キャンセル(ドタキャン)や予約当日になってもお店に表れない無断キャンセル(No Show)は、全体の1~3%ほどとされ、年間の推定損失額は最大でも2,000億円とも言われています。ただのキャンセルとも思われますが、予約のために食材の調達や状況によっては人員の調整、他の見込み顧客分の損失などがこれに含まれます。相次ぐ直前キャンセルは、飲食業界において対処すべき大きな問題となっています。

 ドタキャンが増えている要因として、飲食店の予約がインターネットで簡単にできてしまう事があります。ネットだと営業時間外でも予約ができるため、なかなか予約の電話ができない利用者などには便利なシステムと言えます。また、店舗側にとっても、忙しい時間に電話対応に追われることもなくなるため、都合のよいサービスには違いありません。しかし、簡単にできるからこそ予約をしたことに対する責任感はなくなり、複数店舗を同時に予約して片方はキャンセルすればいいやといった考えになるのです。電話で相手と話をして予約した場合は、少なからず情が生まれてドタキャンのような対応はなかなか出来ません。

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急なキャンセルで飲食店にどのような影響があるのか

悩む女性

 急なキャンセルで多い理由としては、本人の家庭や仕事の事情、同伴者の事情などあり、店舗側としては正直どうすることも出来ません。ただし、気軽にドタキャンやノーショーを行う人が増えれば、ますます店舗側への影響が大きくなってきてしまいます。では、実際にどんな影響があるのでしょうか。

食材ロス

 まず、一番大きな損失としては「食材のロス」です。予約の人数に合わせて食材の仕入れをし、当日であれば仕込みまで終わらせていることが殆どで、キャンセルが発生した際に他の料理に転用できれば良いですが、難しければ全てロスすることになってしまいます。さらに、予約が10人や20人の団体客だった場合、簡単に消化することは難しくロスするしか無くなってしまいます。魚などの生ものを扱うお店の場合、当日仕入れて当日出すようになっているため、翌日に使い回すことも出来ません。

無駄な人件費

 予約が入ると、その日の客数に合わせて人員調整を行います。団体客の場合は普段より多めに人を配置しているため、この予約が急にキャンセルになったとしてもその場で帰らせることもできず働いてもらう形になります。必要ではなかった人件費となるので、これもすべてロスになります。

見えないお客様のチャンスロス

 ロスするのは食材や人件費だけではありません。予約でその時間帯が埋まっていた場合、後から予約しようとする人や、当日フリーで入ろうとしたお客様を断ることもあるかと思います。これらは、本来はその予約がなければ売上になっていたお客様であるため、見えないチャンスロスも大きな損失となります。

 他にも、ドタキャンした人へ連絡を取ってキャンセル料の請求などを行った場合に、言った言わないのトラブルになることもあります。悪意を持ってドタキャンする人もいるようで、インターネットのクチコミサイトなどにイメージダウンとなる悪質な書き込みをされる危険性もあります。

関連記事:将来独立を考えている方必見!飲食店開業に必要なこと7選

どうすればキャンセル防止になるのか

 直前キャンセルやノーショーを無くすには、どうすればいいのでしょうか。店舗側ですぐにでも始められる取り組みをいくつかご紹介します。

予約の事前確認

予約を受けるスタッフ

 こちらからアポイントを取った際、訪問日の前日などに改めて伺う日時の確認を取って、都合を聞くことがあります。飲食店の場合、予約をするのは利用者ですが、店舗側が予約日の前日から3日ほど前ぐらいに予約確認の連絡を入れるようにしましょう。もしかしたらキャンセルの連絡を忘れていることもあるでしょうし、意外と日時を勘違いしている人もいるようです。電話で連絡を入れても良いですし、予約管理システムなどを取り入れているお店はメールで確認でもよいでしょう。事前に入っている予約を確認することで、キャンセルになった場合の影響の大きな団体客などへ早めに対処が可能となります。

直接繋がる連絡先を聞く

 基本的なことではありますが、予約を受け付けた際に相手の連絡先を必ず聞いておきましょう。相手の情報を聞くことは、確実な予約を受け付けるためでもあり、万が一、無断キャンセルとなった際のキャンセル料の請求するためのプレッシャーを与える意味など様々です。飲食店検索サイトのアプリやWEBページから直接お店に連絡出来るようになっていますが、その際に相手に表示される番号は経由しているサイトを表す番号だそうなので、表示された番号が必ずしもお客様の連絡先とは限りません。必ず直接連絡のつく番号をヒアリングするようにしましょう。団体客の場合は、会社名などを聞くのも効果ありです。

キャンセルポリシーの設定・案内

 旅行での宿泊先や飛行機の予約時に、受付メールや書面で記載されているのが「キャンセルポリシー」です。これは、利用日の何日前までにキャンセルするとキャンセル料がどうなるかなどを記載したもの。これを飲食店の予約時に必ず伝えるようにすれば、予防にはなるのではないでしょうか。電話で伝えるでも良いですし、受付確認メールを送る際に、記載しておけばトラブルの元となる「言った言わない論争」も抑止出来ます。

前金制(一定額・半額など)

インターネットで支払い

 増加するドタキャン対策として、今多くの声が上がっているのが「予約時の前金制」です。電話やWEBでの予約はあくまでも仮予約の状態で、設定された前金が振り込まれて初めて本予約とするなど方法は様々あります。決まったコースのみのお店であれば、事前にクレジット決済をすませてもらうこともあるようです。既に支払いをしておけば、キャンセルの場合もキャンセル料を差し引いた分を返金できますし、既に払っていることでドタキャンとなることも減ります。

ホテルや旅行会社経由の場合は責任の所在を明確にする

 最近の直前キャンセルに多いのが、日本を訪れた観光客です。インバウンドの影響でアジアや欧米から多くの外国人が訪れており、その外国人観光客がホテルや旅行会社経由などでお店を予約するケースが増えています。しかし、予約だけして実際は来なかったり、閉店間際に来て食事をしたいと言ってきたりと、飲食店では対処に困ることも多いようです。ホテルを経由しているため、来店予定の外国人客の連絡先は分からないので仲介したホテルへ連絡してキャンセル料の話をすると、ただの仲介だということで逃れるところも多いと言います。仲介をする以上、問題が発生した時の対応について確認し合うことが大切です。

 ご紹介した以外にも、美容室やエステなどで良く使われる、予約時間から一定の時間を過ぎると自動的にキャンセルとなる仕組みも1つの方法です。勝手に実施してはいけないので、予約を受けた際に「連絡なしで○分以上遅れた場合は自動的にキャンセルとなります」と説明しておけば大丈夫。

 それでも、もしキャンセルが発生した場合はお客様を待つのではなく、FacrbookやTwitterなどのSNSを利用してキャンセルによる空席ができたことを伝えたり、用意していた食材を使った料理の値引きサービスなどを公開したりしてフリーのお客様を集めることも手です。売上ゼロよりは、少しでも回収したいものです。

関連記事:インバウンド需要に注目!飲食業界で英語を生かせる職場5つを紹介!

ドタキャン防止のシステムも登場

 このように飲食店の大きな悩みの種である、ドタキャンやノーショー対策は色々と考えられていますが、それでも100%無くなることはありません。電話がかかってきても無視すればそれ以上どうにもならずに、ロスが出たままとなるケースが減ってはいません。そこで最近では、ドタキャンを防止するためのサービスや、予約管理システムが登場し始めました。

予約キャンセルデータベース

予約キャンセルデータベース

 登録した店舗間で、予約をキャンセルした人の電話番号を調べることのできるデータベースサービスです。大人数での予約にも関わらず、ドタキャンした人の電話番号をそれぞれの店舗が共有することで、予約キャンセルのリスクを減らすことが出来るとのこと。登録した電話番号は個人情報にあたるため、全てハッシュ化(不可逆暗号化)しており、運営者にもその情報は分からないようになっています。

関連サイト:予約キャンセルデータベース

トレタ 「お見舞い金サービス」

トレタ

 国内シェアNo.1の予約台帳システムである「トレタ」は、居酒屋から高級レストランまで約8,000店舗で利用されています。あらゆる飲食店の予約を簡単に管理できる「トレタ」は、2017年2月から『お見舞い金サービス』を開始しました。これまで、予約と同時に前金を預かるデポジット機能などを提供していましたが、さらに飲食店が安心して末長く営業していけるよう『お見舞い金サービス』を提供することになりました。

対象店舗と、お見舞い金の支払い条件は以下です。

お見舞い金サービス

■サービス対象店舗

(1)トレタペイメントご契約中のお客さま

(2)トレタ契約プラン「プラス」または「2ねんプラス」をご契約中のお客様(利用料:16,000円(税別)/月)

■お支払い条件

・トレタペイメントのデポジット決済利用時の当日キャンセル料を、10,000円以上に設定した予約がNo Showになった場合(上記サービス対象店舗の(1)のお客さま)

・火災や水漏れ等により店舗が損害を受け1日以上休業することにより予約の取消を行った場合(上記サービス対象店舗の(1)(2)のお客さま)

■お支払い対象になる損害の内容

偶然な事由により店舗が損害を受け、1営業日以上休業することにより、予約サービスシステムを通じて予約したユーザーに対してその予約の取消を行った場合(例:火災・落雷などによる破裂や爆発、風災・雪災、盗難、航空機の墜落や車両の衝突、食中毒等)

■お見舞い金額

1回の申請につき定額10,000円(1年間で3回まで)

<<参考>> トレタ お見舞い金サービス

Table Solutionの「キャンセルプロテクション」

キャンセルプロテクション

 「トレタ」に次ぐ飲食店の予約管理システム「Table Solution」を運営する株式会社VESPERはキャンセル損失をなくすべく「キャンセルプロテクション」サービスを行っています。これは、ネット予約時にカード情報を預かったり、事前に決済をすることで直前キャンセルを抑止できたりする機能です。事前決済に応じることで、特別割引サービスなどを付けるなどお客様にもメリットがある形で対応しています。

関連サイト:Table Solution

ダイナース 「ごひいき予約」

ごひいき予約

 日本で最初のクレジットカード:ダイナースクラブが、お客様と飲食店両方の悩みを解決すべく、新しいサービスを開始。予約の取りづらい有名店、そんなお店でキャンセルが出たら優先的に連絡してほしいというお客様、突然のキャンセルで困っている飲食店、これらの声をダイナースが結びつけました。予約の取りづらい有名店などで発生したキャンセル席をダイナースクラブが買い取り、会員様へ即時通知するサービスが「ごひいき予約」です。その通知方法は、ダイナースクラブのLINEアカウントで行われます。直前のキャンセルで有効利用されなかった食事を、本当に求めている方に利用してもらうことで食材や人件費のロスを削減していく力になればとダイナースは動いています。

関連サイト:ダイナースクラブ 「ごひいき予約」

まとめ

 日々、飲食店を悩ませる直前キャンセルや、ノーショーといったドタキャン問題。ネットで簡単に予約が出来るようになるなど、手軽になったからこそ発生しています。無断キャンセルなど連絡がその後つかないことも多く、飲食店のほとんどは泣き寝入りしているという状況を少しでも緩和できるよう、みんなが協力していきたいものですね。

 また、「食べるんだ」では、初期費用不要で、採用するまで費用が掛からない完全成果報酬型プランのオリジナル求人をご用意。なかなか採用に至らずお困りの企業様や、採用コストを抑えたい店舗様など、このオリジナル求人を是非お試しください!

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