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2018/02/27

『串打ち三年、焼一生』外国人にも人気の焼鳥職人とは

焼き鳥

 居酒屋の王道食品の一つ「焼き鳥」。みなさん焼き鳥はお好きですか?外はパリッと、中からはジューシーな肉汁があふれ、やめられない止まらない。そんな焼き鳥を提供する職人たちは、料理の難しさをこう例えます・・・『串打ち三年、焼き一生』。一体どういう意味なのでしょうか。奥の深い焼き鳥職人の世界とは、焼き鳥を作るために必要な技術は何なのか、 そんな疑問にお答えします。

焼き鳥ってなに?

焼き鳥職人

焼き鳥の歴史

 鶏肉を串に刺して食べる、いわば元祖焼き鳥が登場したのは、なんと平安時代。当時は家畜の肉を食べる習慣がなかったため、狩猟で得たキジの肉を串焼きにして食べていました。江戸時代の料理レシピが記された本には、焼き鳥が掲載されており、屋台などで人気を博していたそうです。その後、明治時代に入りブロイラーの登場によって、今の形の焼き鳥になりました。

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焼き鳥とやきとりの違い

 焼き鳥と聞いて、串に刺して焼かれた鶏肉をイメージするかと思います。「焼き鳥」とは、一口大に切った鶏肉を串に刺し、たれや塩で味付けして焼いた料理のことを指します。店によっては、タレを50年以上継ぎ足し続けているところもあります。実は、鶏肉であれば串に刺した炭火焼きの他にも、直火焼きや鉄板で焼いたものも「焼き鳥」と呼ぶのだそう。鶏を切ったりせずに、そのまま串焼き調理したものも焼き鳥です。

 漢字で書いた「焼き鳥」以外にも、ひらがなの「やきとり」もあります。どちらも同じでしょ?と思うかもしれませんが、漢字の「焼き鳥」と平仮名の「やきとり」では、内容が違うのです。「やきとり」は、鶏だけでなく牛や豚、馬の肉までも含みます。北海道の室蘭にある『室蘭やきとり』は、豚肉と玉ねぎを使用した串焼き料理が有名であり、福岡県などでも、やきとりと言えば鶏よりも「豚バラ」のイメージが根強くあります。このように地域によって、焼き鳥(やきとり)の定義が違うのも特徴です。

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串うち三年、焼一生

串打ち

 焼き鳥職人の間には「串打ち三年、焼き一生」という言葉があります。この言葉は、一人前の焼き鳥職人になるためには、これだけ大変だという意味を込めて作られたもの。焼き鳥の作り方は、食べやすい大きさに調理された肉を、1本ずつ串に刺して焼くという非常にシンプルなものです。だからこそ、ひとつひとつの工程が、その店の味を左右するほど重要になってくるのです。では美味しい焼き鳥を作るために、必要な技術をご説明します。

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串打ちに必要なスキル

①一串ごとのボリュームを揃える

 串ごとに肉の大きさや量が不揃いだと、肉を焼いた時に火のとおりにムラが出てしまいます。小さい肉は焦げているのに、大きい肉は生焼けではお客様に出せませんよね。焼き鳥職人として、適切な時間・火加減で焼かれた、同じ味の料理を提供するためにも、串ごとのボリュームは揃えましょう。

②鶏肉の繊維に対し、垂直に串を打つ

 鶏肉は加熱すると、繊維の方向に縮みます。繊維に対して横方向に串を打つと、焼き上がりに肉同士の隙間ができてしまい美しくありません。縦方向に肉の繊維を揃えて串を打ち、焼いていくことで、身の引き締まったジューシーな食感が生まれます。繊維と肉の重心を捉えていない串打ちでは、焼いている最中に肉が回転したり、抜け落ちてしまうこともありますから注意が必要です。

③部位に合わせて串を打つ場所を変える

 焼き鳥は、串に刺して焼くという特性上、どうしても先端は焦げやすく、根元の方は生焼けになりやすいものです。逆に、無理して根元の方だけ焼き続ければ、串の材質によっては持つところが燃えてしまいます。逆にいえば、火の通りにくい部位を先端に、焦げやすい部位や小さな肉は根元側に打てば均一に火が通るということです。

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焼きに必要なスキル

①肉の部位についてしっかりと理解する

 美味しい焼き鳥を作るためには、鶏肉の各部位への深い知識が必要不可欠です。その部位に合わせた火加減で焼き、焼き台のどの部分で焼くのが適切かを、判断する必要があるからです。

②店で扱う熱源についての理解

 一般的に、焼き鳥を美味しく焼くには、炭火が一番適していると言われています。ですが飲食店の場合、出店するビルや立地によっては炭が使えない場合があります。そうなると電気か、ガスのどちらかを選ぶ必要がありますが、鶏肉は水分が多いので、ガスよりも電気を用いた焼き場の方が、美味しく仕上がるそうです。

③強火の遠火を心がける

 強火の遠火とは、火力を強火にし、食品は遠ざけて火を入れる料理技法です。こうして焼かれた肉は、火が均一に入るため、見た目も美しく旨味を逃しません。まさに焼き鳥にぴったりの調理法といえます。"炎"で直接焼くのではなく、燃やした結果発生する"熱"で焼き鳥を作るというのは、覚えておいて損はないでしょう。

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焼き鳥職人になるために必要な資格、年収

焼き鳥

 焼き鳥職人になるには、必要な資格や学歴は特にありません。経験を積んで得た技術力が、一番の力となります。まず経験を積むためには、焼き鳥を提供する店でアルバイトとして働くか、焼き鳥専門のコースを持つ学校に通う方法などがあります。焼き鳥を提供する飲食店の中には、未経験者歓迎のものや研修制度がしっかりしているところがありますから、求人を探す時はそこに着目するのもいいかもしれません。

焼き鳥職人の年収はどのくらい?

 焼き鳥を提供する居酒屋で働いた場合、時給は900円前後のところが多いです。一般的な居酒屋の他、焼き鳥専門店など、種類は多いのであなたに合ったお店を選べるのではないでしょうか。夜からの営業がほとんどな焼き鳥屋は、深夜も営業しているため、基本給のほかに深夜手当が付くこともありますので、チェックしておきたいポイントです。焼き鳥屋で正社員になると、月給は30万円前後がほとんどで、有名焼き鳥店の料理人リーダーにもなれば、月収50万円を超える場合も。

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Yakitoriが海外で話題に!

 日本では一般的な「焼き鳥」ですが、近年は海外でも人気を博しています。

>>技術を身につけ海外でチャレンジ!

 ニューヨークにあるレストラン【鳥心】は、2012年にミシュランガイドにも認定された超有名店。アメリカの人にとって、今までにない新しい鶏肉の食べ方「Yakitori」として、世界でも注目を集めています。【鳥心】利用者は「チキンを食べて興奮する体験は初めてだった」など、アメリカにはなかった食べ方によって、新鮮な驚きとともに受け入れられていることが伺えます。

 インバウンドや、2020年の東京オリンピックに向けて、多くの外国人観光客が日本を訪れるでしょう。その時に、一度焼き鳥をおススメしてみてはいかがでしょうか。私たちの慣れ親しんだ日本の味、気に入ってもらえたら嬉しいですね。

まとめ

 焼き鳥を美味しく作るためのコツや、海外での焼き鳥人気について解説しました。私達に馴染みある焼き鳥が、海外の方にも愛されているというのは嬉しいですね。

 焼き鳥とは、鶏肉を串に刺して焼くというシンプルな調理法ゆえに、ごまかしのきかない料理です。一つ一つの下準備に意味があり、見た目も美しく、そして美味しく焼き上げられるようになるまでは多くの経験が必要です。興味のある方は、まずは焼き鳥専門店などでアルバイトから始めてみるのもよいかもしれません。


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